経団連は1日、選択的夫婦別姓の早期実現を求める初めてのシンポジウムを東京都内で開いた。経団連の魚谷雅彦ダイバーシティ推進委員長は、同制度の導入について「日本企業が生き残っていくための経営戦略だ」と強調した。

◆「名字で結婚の権利を奪っている」

パネルディスカッションをする辻愛沙子さん(右)ら

 魚谷氏は石破茂新首相にも言及し「女性や若者を守りたいというキャッチフレーズのもとに『この制度をやらない理由が分からない』という発言をされていた。この法制度が早期に国会で審議され整備されることを期待する」と要望した。  パネルディスカッションには、広告制作をする「arca(アルカ)」代表の辻愛沙子さん、慶応大の阪井裕一郎准教授(家族社会学)ら6人が登壇。辻さんは「自分の会社でもメディアでも、辻としてキャリアを歩んでいる。(自身の)一番の結婚の障壁となっているのは名字」と話し、阪井准教授は「事実婚を選び、制度的な後ろ盾がなく不安を抱えている人もいる。名字で結婚の権利を奪っている大きな問題」と指摘した。第一生命ホールディングスの稲垣精二会長は「政府はタイムリーにこのトピックスを進めていただきたい」と求めた。  シンポジウムには、経営者ら約180人が参加。経団連は、今年2月に公的な場で初めて十倉雅和会長が「一丁目一番地として進めていただきたい」と述べ、6月に選択的夫婦別姓の早期実現を求める提言を発表している。(竹谷直子) 

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