<じっくりトーク>  みずほフィナンシャルグループ傘下の資産運用会社「アセットマネジメントOne」(千代田区)が、「気候変動、生物多様性、人権と健康」のサステナブルな視点を重視した投資戦略を強化している。杉原規之社長(55)は、「長期的な視野に立つ投資家として、社会課題解決に向けた行動を企業に促していく」と話す。(白山泉)

投資家として社会課題解決に向けた行動を投資先企業に促したいと話す杉原社長

◆長期的視野に立つ投資家として

 資産運用会社は、ファンドを通じて個人や法人のお客さまから預かった資産を運用する。資産を長期にわたって増やしていく観点からも、投資先企業に対して長期の目線で企業価値の向上、社会課題解決の取り組みを促していくことが重要だ。  上場企業は、社会課題の解決に関する情報を有価証券報告書に記載するようになっているが、開示した情報に実効性があるかが重要だ。厳格な基準を設けるだけでは結果的に取り組みを促せない。女性管理職比率3割や脱炭素に向けた取り組みなどは、すぐにはできないかもしれない。しかし、例えば5年後の目標に向けて着実に進捗(しんちょく)していれば、それを評価して株主総会で議決権を行使することになる。  新しい少額投資非課税制度(NISA)では、日本の優良企業に投資する商品を充実させていきたい。資産運用はギャンブルのように見られがちだが、投資したお金が企業の成長や社会課題の解決につながっていると実感できると、運用への意識が高まってくる。「投資の力で未来をはぐくむ」というコーポレートメッセージには、そうした思いがある。

◆オフショット 娘に誘われ、時々一緒にロックやポップスのコンサートに行くのを楽しみにしています。



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