インタビューに応じるダイハツ工業の井上雅宏社長=23日午前、大阪府池田市

ダイハツ工業の井上雅宏社長は23日、産経新聞などのインタビューに応じ、認証不正の再発防止へ向け、認証試験を担う部門へトヨタ自動車から人員を受け入れ、指導を受けていることを明らかにした。電動化やネット連携機能などトヨタが先行している技術分野についても「ノウハウも含めてサポートしてもらった方が双方にとっていい結果になる」と述べ、人員の受け入れを進める考えを示した。

井上社長は「海外展開するモデルの増加に加え、毎年複雑化する各国の安全や環境の規制に対処する実力が認証部門に足りなかった」と指摘。「(新車開発の)ボトルネック(阻害要因)となっている認証部門をトヨタの力を借りて拡充する」と強調した。技術や法律に関する部門にも人員を受け入れる。

認証不正をめぐっては、「社員が上にものが言えない風土」の中、ダイハツが強みとしてきた短期開発のしわ寄せが認証部門に集中し、認証試験に十分な時間をとれなかったことが大きな原因の一つとされる。

同社は再発防止策として、国の認証試験に対応する人員を6月をめどに7倍に増員する方針を示している。

一方、新車の受注は「(平常時の)7割程度に戻ってきている感触がある」と説明。ただ、マイナス金利政策解除の影響で新車の需要が落ち込む可能性もあり、「年内に不正発覚前に戻るかまだわからない」と述べた。(桑島浩任)

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