江崎グリコのシステム障害の影響で一部商品が出荷停止している紙パック入りの果汁飲料「トロピカーナ」(キリンビバレッジ提供)

江崎グリコは基幹システム障害により「プッチンプリン」などほぼ全てのチルド食品の出荷を停止したことを今月19日に発表したが、その影響が業務提携先の他社にも広がっていることが23日、分かった。

江崎グリコは業務提携先のキリンビバレッジが手がける冷蔵品の一部の販売を請け負っており、受託している果汁飲料「トロピカーナ」や野菜飲料の出荷が停止しているという。

江崎グリコは基幹システムの復旧作業を急ぎ、5月中旬の再開を目指しているが、「オペレーションの見直しかシステム自体を改修するかなど検討中」(広報担当者)と説明しており、具体的な復旧の見通しはいまだ立っていない。

江崎グリコは「カフェオーレ」「プッチンプリン」といった乳製品や洋生菓子、果汁、清涼飲料など17ブランドあるチルド食品のほぼすべての出荷を19日に停止した。今月3日に同社は基幹システムを切り替えた際にシステム障害が生じ、復旧を試みて18日に一部を再開したものの再停止して現在に至っている。

新たに導入したのは独SAP社製「SAP S/4HANA」で物流、販売、会計を一元的に管理し、業務の効率化を図るため約340億円もの巨額を投じた。

常温や冷凍品の出荷は正常という。江崎グリコのチルド食品は複数の事業領域にまたがっており、出荷停止が長引けば事業への影響も少なくない。足元の販売減やシステム改修の費用、キリンビバレッジ側への補償などが生じる可能性もある。(田村慶子)

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