大阪府市が誘致を目指すカジノを含む統合型リゾート施設(IR)の整備計画に、阪急阪神ホールディングス(HD)グループが参画を決めたことが22日、明らかになった。オリックスや米MGMリゾーツ・インターナショナルの日本法人が出資するIRの運営主体、「大阪IR」(大阪市)に株主として、阪急阪神HD傘下の阪急阪神不動産が出資参画する。すでに契約を締結した。関西の大手鉄道会社では、阪急阪神HDのみ同計画に参画していなかったが、主要鉄道企業がすべて参画を決めたことになる。
大阪IRはオリックス、MGMをそれぞれ4割超を出資する主要株主とし、ほかに関西の主要企業20社が小規模株主として、約15%を出資していた。今回、新たに阪急阪神不動産のほか、阪和興業が出資を決め、小規模株主は22社となり、出資規模は約17%となる。
阪急阪神HD幹部はこれまで、大阪IRへの出資を巡って「まだ時期尚早」と、慎重な姿勢を示していた。ただ、建設予定地の夢洲(大阪市此花区)で液状化対策工事が昨年末から実施されるなど、準備が進展している。また、米MGMリゾーツ・インターナショナルは今月17日、大阪・関西万博の米国館にスポンサーとして参画する方針を明かすなど、関西での活動を活発化していた。
大阪でのIR整備計画をめぐっては、昨年9月末に府市と事業者が締結した実施協定で、事業環境が整っていないとして令和8年9月まで契約を解除できる権利が事業者側にも付与されるなど、先行きに不透明感があった。MGMの活発な動きは、そのような観測を打ち消す狙いもあるとみられる。
大阪で建設が計画されるIRは、投資総額が1兆2700億円の大型プロジェクト。2030(令和12)年秋ごろの開業が予定されている。
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