東通原発1号機の安全対策工事の完了時期の見直しを報告する東北電力の樋口康二郎社長=22日、青森県庁(福田徳行撮影)

東北電力は22日、青森県や東通村などに対し、今年度としていた東通原発1号機の安全対策工事の完了時期を見直すことを報告した。原子力規制委員会による審査の長期化が要因。新たな完工時期はプラント(本体)審査の準備が整い、今後の工程の見通しが得られた段階で示すとしている。

同原発の再稼働の前提となる安全対策工事の審査では、想定される最大規模の津波や耐震設計の目安となる揺れに関する議論が終了。一方で、プラント審査に向けて「確率論的リスク評価」で「1千万年に1回程度発生する可能性のある津波」への対応も検討する必要があることから、審査や工事に一定の期間を要すると判断した。

県庁で宮下宗一郎知事に報告した樋口康二郎社長は、プラント審査に関し「現在、スケジュールを精査しているところであり、準備には1年半ぐらいの期間を要する」と述べ、理解を求めた。宮下知事は「できるだけ早い時期に見通しを示してほしい」と求めるとともに、確率論的リスクに疑問も投げ掛けた。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。