(写真:metamorworks/PIXTA)

先日、東洋経済オンラインでは損害保険大手4社の政策保有株式の保有先を配信した。国内の3メガバンクや三井住友信託銀行、りそな銀行の大手行も多くの政策保有株を保有しているため、今回は大手5行の上位保有先リストを配信したい。

規模は、貸借対照表の計上ベースで三菱UFJフィナンシャル・グループは4兆851億円、三井住友フィナンシャルグループは3兆5771億円、みずほフィナンシャルグループは2兆5631億円などとなり、政策保有株式の保有主体でもトップ5に入る規模となる。銘柄数の多さや金額規模でみて、損害保険業界以上の保有主体となっている。

メインバンクとの系列関係にある企業の株の持ち合いといえば、戦後日本の経済成長を支えてきた側面がある。ただ、近年では株主による適切なガバナンスを阻害するものとして批判的な声も高まっている。投資家からの厳しい声に加え、金融庁による損害保険会社への売却要求なども影響し、銀行の政策保有株式にも注目が集まっている。

相互で持ち合い関係にある企業が多い

今後、政策保有株式の売却が徐々に進んでいく可能性が高いが、現時点でどのような企業の株式を保有していて、仮に売却が急速に進んだ場合に影響が大きいのはどこの企業なのだろうか。リストは2023年6月に各行が発表した有価証券報告書の開示ベースで、株式数や時価総額は当時のもののため、その後の株価上昇で保有価値が増えている場合もある。

東洋経済新報社では、全上場会社の個別企業ごとの保有対象銘柄や銘柄数、貸借対照表計上額をまとめた「政策保有株式データ」を提供している

表の相互保有列が○となっている会社は、お互いの企業で株を持ち合っていることを示す。この相互保有関係にある銘柄は、リスト化した150社中、130社で全体の85%以上になる。

5行の貸借対照表計上額の単純合算で規模の多いところをみると、トヨタ自動車は7516億円分、ダイキン工業は3899億円分、伊藤忠商事では2170億円分になった。単純に売却されるとすれば、そのインパクトは大きい。その影響の大きさから仮に政策保有株式から外すとしても、純投資先として保有を続ける可能性もあり、今後の動向は注目される。

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