酷暑のスペイン・マドリードで水を浴びる人=7月25日(ロイター=共同)

 【ジュネーブ共同】酷暑が職場にもたらすコストは世界で約3610億ドル(約53兆円)に上るとの報告書を、国際労働機関(ILO)がまとめた。体調悪化などで失われる収入や治療費を試算した。各国の暑さ対策も比較し、日本については涼しい休憩場所の設置などが不十分だとみている。  世界の平均気温は7月21、22日に連続で観測史上最高を記録。ILOは安全対策などの改善で酷暑コストは減らせるとし、「労働者を守るための行動計画や法整備が必要だ」と呼びかけている。  ILOは既に、世界で24億1千万人が酷暑の中で働いているとの推計を明らかにしている。  また、21カ国の安全対策や法整備を比較。日本は水分補給や健康診断などで対策が取られている一方、涼しい休憩場所の設置や教育指導、個人の防護装備の項目で不十分だと判断した。  中国では気温40度を境に屋外活動を停止・制限しているなどの各国の取り組みも紹介。中東諸国は日中の屋外作業を禁じ、ギリシャは、体の深部の温度が38度を超えないようにする決まりがあるとしている。


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