マイナス金利解除で銀行のスタンスに変化がみられる(日銀本店)

日銀が19日発表した4月の主要銀行貸出動向アンケート調査によると、今後の企業向け貸し出しの利ざや設定の方針を示す判断指数(DI)は上位格付け先でプラス8となり、1月調査(プラス4)から4ポイント上昇して2019年4月調査(プラス10)以来、5年ぶりの高い水準となった。マイナス金利解除後、利ざやを確保していく動きがみられつつある。

調査は四半期に1度、全国の銀行や信用金庫のうち貸出残高の上位50行庫を対象に実施する。今回の調査期間は3月11日から4月10日。DIは今後3カ月間で利ざや(貸出金利と預金金利の差)の設定を「拡大する」と答えた金融機関の割合から「縮小する」と答えた割合を引いて算出する。

中位格付け先は2ポイント拡大してプラス8、下位格付け先も2ポイント拡大してプラス6だった。

日銀は3月19日、マイナス金利政策を含む大規模緩和の解除を決定した。「回答が後半に集中しやすい」(日銀関係者)とのことで、解除後の回答が多く含まれるとみられる。

同日に発表した企業の資金需要の強さを示すDIは1〜3月がプラス4と、1月調査(プラス1)から3ポイント拡大した。売り上げの増加や設備投資の拡大の影響で、企業の資金需要では堅調な動きが続いている。

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