【ワシントン=坂本一之】米ワシントンで開かれた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は18日、2日間の討議を終え閉幕した。鈴木俊一財務相は閉幕後の記者会見で、米国の高金利を巡り「資金が流出する、あるいはドル建て債務が膨らむことに懸念を述べた国があった」と明らかにした。共同声明の取りまとめは前回の2月会合に続き見送った。
会議では気候変動問題に関する資金対応や国際開発金融機関(MDBs)改革などに関して協議したが、声明は採択せず、議長国がまとめる「議長総括」も見送った。
為替について発言する国はなかった一方、ドル高の要因となっている米国の高金利に対し、新興国から債務の返済負担が膨らむことなどを懸念する声が出た。
G20の議長国を務めるブラジルのネト中央銀行総裁は記者会見で「ドル高は常に問題だ」と指摘。日本銀行の植田和男総裁は会見で円安の動きを分析する考えを示し、円安で物価上昇に無視できない大きな影響が出た場合は「金融政策の変更もあり得る」と述べた。
鈴木氏は会議でウクライナ侵略を続けるロシアを「最も強い言葉で非難」。世界経済への悪影響を指摘し「即時終結」を求めた。
また、鈴木氏は会見で一連の会議を振り返り、初開催の日米韓財務相会合に加え日米、日韓などの枠組みで、為替に関し「緊密な意思疎通を行うことができた」と述べ、成果を強調した。
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