日銀の野口旭審議委員は佐賀市で18日開いた金融経済懇談会後の記者会見で、今後の政策金利の引き上げが「かなりゆっくりなものになるというのがメインシナリオだ」との認識を示した。2%物価目標の達成は「それなりの時間がかかる」とした。
18日午後の東京外国為替市場で円相場は一時1ドル=154円台で推移し、円安・ドル高が定着する。足元の円安が物価に与える影響は「一時的」との見方だが、「(円安が)賃上げや物価上昇の動きに影響を与えることになれば(政策変更を)考えていかなければいけない」とも指摘した。
野口氏は今後の物価見通しについて「完全に2%の基調に達するにはそれなりの時間がかかる」と話した。追加利上げの時期については「確度の高まりを見極めながら慎重に判断する」と述べるにとどめた。
日銀は3月にマイナス金利を含む異次元緩和策を解除した。野口氏はマイナス金利政策と長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)の同時撤廃に反対票を投じた。
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