葛飾・柴又で長年愛された老舗精肉店の名物コロッケが、3年ぶりに復活した。設備の老朽化などで2021年に閉店したが、創業者の孫にあたる相原健太郎さん(44)が総菜店「柴いち」を新たに開業し、手作りの味を継承した。

◆レシピを継承「やっぱりおいしい」

葛飾・柴又で約70年間愛されてきたコロッケを復活させた「柴いち」代表の相原健太郎さん=葛飾区で

 「当時の味が出せるか心配でしたが、地元の皆さんが『やっぱりおいしいね』と言ってくれて。この店を始めてよかった」。相原さんがほおを緩めた。  復活したのは、黒毛和牛を使った「アイハラコロッケ」。前身の「相原牛肉店」のレシピを受け継ぐ自慢の一品だ。  揚げ物を担当する妻の真有(まゆ)さんは「パン粉のつけ方や温度、時間にも工夫がある。家庭では出せない味です」と語る。

◆地域の食卓を総菜で支える

 1949年に創業した相原牛肉店は70年余、祖父と父の2代にわたり、家族が力を合わせて地域に愛される店づくりを実践してきた。  設備の老朽化などで3年前に閉店したものの、「近所の方々が『あのコロッケをまた食べたい』って。できるなら再開して、喜んでもらいたくて」と相原さんの姉、三原美和さんは振り返る。  復活に向け、相原さんは東栄信用金庫(葛飾区)の創業塾へ。開業資金のめどもつき、4月に「柴いち」をオープンした。店名は店舗のある「柴又一丁目商店街」にちなんだという。  仙台黒毛和牛のローストビーフや煮物、ポテトサラダなどをそろえて、地域の食卓のさまざまなニーズに目を配る。相原さんは言う。「やっぱり看板商品はコロッケ。揚げたてをどうぞ」(石川修巳) 

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。