昨年1年間に千葉県内に本社を移した企業が6年連続で県外へ転出した企業の数を上回ったことが、帝国データバンク千葉支店の調べで分かった。同支店は都心よりもオフィスの賃料が安いことや都心に近く、利便性も高いことが背景にあると分析している。

千葉県には152社が転入した一方、県外には125社が転出し、27社の「転入超過」になった。首都圏では東京が170社の「転出超過」となったのに対し、神奈川が77社、埼玉が29社の転入超過となった。東京から隣県に分散した会社が多かったことが分かる。

千葉県では、転入超過した会社の数自体は前年の34社よりも7社減った。新型コロナウイルスの感染が拡大した令和2年の66社からは3年連続で減少した。

同支店の担当者はこの理由に、コロナ禍でのリモートワークの普及が一段落し、一定程度は東京に戻る会社もあったと指摘する。

千葉県からの転出先は東京が84社で全体の3分の2を占めた。逆に千葉県への転入先も東京からが113社と最多だった。千葉県からの転出企業を業種別で見ると、サービス業が46社で、建設業が22社、卸売業が19社と続く。転入企業ではサービス業の54社が最多だった。

売上高の規模別で見ると、「1億円未満」が転出企業では57社(全体の45・6%)、転入企業では85社(同55・9%)を占めた。「100億円以上」は転出で3社、転入は2社あった。

同支店は今後、小規模の企業を中心に東京への転出と転入の動きが続くとみている。

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