開幕まで1カ月を切ったパリ五輪の日本国内での経済効果は、低調となる見通しだ。第一生命経済研究所のエコノミストの予想では、消費押し上げ効果は2560億円と、無観客だった東京大会(2021年)の2476億円は上回るものの、リオ大会(16年)の2621億円は下回る。関連消費の多くを占めるテレビの買い替えの動きが鈍いのが主因だ。一方で高額観戦ツアーの完売など一部では盛り上がりも見せている。  テレビは新型コロナウイルス禍の巣ごもり、東京大会を機に購入が進んだ。家電量販店大手は「スマートフォンでの観戦など生活スタイルも変化した。買い替えに期待していない」と諦めムードだ。ビックカメラの売り場担当者は「客がどれほどいるのか未知数だが、開幕直前に購入が増えることを期待している」と話す。  人気競技は日本時間未明の開催で、時差も立ちはだかる。お酒を飲みながらスポーツ観戦できる飲食店チェーン「ハブ」の広報担当者は「客が集まりづらい」とうなだれる。営業時間を延長して中継する店舗は限定する方針だ。


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