ヤフーとLINEのロゴ

通信アプリLINE(ライン)の利用者などの情報が大量流出した問題で、総務省は16日、アプリを運営するLINEヤフーに対し2度目の行政指導を行った。この問題について総務省は3月に1度目の行政指導を行い、LINEヤフーは今月1日に再発防止策を提出していた。だが、総務省は計画が不十分と判断し、対策の早期実施を求めて、7月1日までに具体的な対応を報告するよう求めた。同じ企業へ短期間で2度の行政指導を行うのは異例とみられる。

総務省は3月の指導で、LINEヤフーが大株主の韓国IT大手ネイバーから資本支配を受け、技術面でも依存している点を問題視した。LINEヤフーはこれを受けて1日に提出した再発防止策で、ネイバー側と一部を共通化していたシステムの分離を行うとしたほか、ネイバーや同じく大株主のソフトバンクに対し、資本関係の見直しを要請したとしていた。

しかし総務省は、LINEヤフーがネイバーのシステムとの完全分離が実現するのを2年以上先とした点を問題視し「対策を加速化する必要がある」と指摘。資本関係の見直しについても「展望が明らかではない」とし、グループ全体で検討を急ぐことを求めた。

松本剛明総務相は16日の閣議後記者会見で「対応が不十分であったという事態を重く捉え、徹底した対応を期待したい」と述べた。

LINEヤフーは昨年、一部のシステムを共通化していたネイバーの傘下企業がサイバー攻撃の影響を受け、LINEの利用者や取引先などに関する情報が外部に流出した可能性があると発表。その件数は約51万件に膨らんでいた。

LINEヤフーは16日、「今回の行政指導を真摯に受け止め、皆さまからの信頼回復に努める。(再発防止へ向けた)取り組みをさらに加速させていく」とするコメントを発表した。(根本和哉)

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