三菱UFJフィナンシャル・グループによる情報共有問題の構図

 三菱UFJフィナンシャル・グループで、融資先企業の未公開情報を無断で共有していた疑いが浮上した。同社は国内金融業界トップとして銀行と証券の事業連携をしやすくする規制緩和を訴えてきた。規制の根幹である情報管理を軽視したとの批判は免れず、推進してきたグループ一体運営に影を落としそうだ。  証券取引等監視委員会は週内にも金融商品取引法違反の疑いで、三菱UFJ銀行と三菱UFJモルガン・スタンレー証券、モルガン・スタンレーMUFG証券の3社を行政処分するよう金融庁に勧告する。三菱UFJ銀の半沢淳一頭取は10日、大阪銀行協会会長の就任会見で「今の段階ではお答えすることはできないが、法令規制の順守をしないといけないと思っている」と述べた。  違反した疑いが持たれているのは銀行、証券間の情報共有を制限する「ファイアウオール規制」だ。融資先企業の資本政策や経営戦略といった銀行が持つ豊富な情報を系列証券の営業活動に生かす戦略を掲げてきたが、前提である取引先の同意を得ずに進めていた事例が見つかったとみられている。


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