インターネットでの番組配信をテレビ放送と同じNHKの「必須業務」とする改正放送法が成立した。これに伴い、テレビを持たないネット視聴者も受信料徴収の対象となる。動画配信サービスなどの普及で若年層を中心にテレビ離れが加速していることに対応した形だが、受信料の公平負担に向けた制度設計や、肥大化の懸念払拭など残された課題も多い。ネット時代にふさわしい公共放送のあり方が問われそうだ。  NHKの受信料収入はピークの2018年度には7122億円あったが、テレビのない世帯の増加を背景に近年は減少傾向にある。菅義偉前首相が繰り返し求めていた受信料値下げに踏み切った影響も大きく、24年度は27年ぶりに6千億円を割り込む見込みだ。ネット視聴者からも徴収できれば、収入減に歯止めをかけられる可能性がある。  一方で具体的な制度設計はNHKがこれから詰める。現在の制度では、テレビなどの受信設備を持つ世帯単位での徴収となっているが、スマホの場合は所有する個人ごとに対象を広げるかどうかが今後の検討課題となっている。


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