ふくおかフィナンシャルグループ(FG)が13日発表した2024年3月期の連結決算は、純利益が前の期比96%増の611億円とほぼ倍増した。貸し出し増加などで資金利益が伸びたほか、23年3月期に計上した外国債券の売却損がなくなったことも寄与した。赤字が続く傘下のデジタル専業銀行「みんなの銀行」を90億円増資することも決めた。
本業のもうけを示すコア業務純益(投資信託解約損益を除く)は、傘下4行(福岡・熊本・十八親和・福岡中央)の単体合算で12%増の1208億円だった。資金利益が2027億円と9%伸びたほか、金融商品の販売が好調で役務取引等利益も14%増の289億円となった。五島久社長(福岡銀行頭取)は「銀行の基礎収益力が上がった」と話した。
大口取引先の事業再生などで、信用コストは158億円と前の期より126億円積み増した。債券運用で損失も発生したが、23年10月に福岡中央銀行を経営統合して計上した負ののれん発生益215億円によって実質的に補った。
みんなの銀行の単独最終損益は54億円の赤字(前の期は43億円の赤字)だった。3月末時点の口座数は前年同月末比60%増の96万件に増えたが、営業経費がかさんだ。ふくおかFGから5月20日付で資本準備金を含む90億円の増資を受け入れる。28年3月期にも黒字化する目標は変えず、財務基盤を強化する。
主要な傘下行の最終損益は熊本銀行が前の期比8%増の46億円、十八親和銀行が43%増の105億円だった。福岡中央銀は9億9200万円の赤字(前の期は10億円の黒字)だった。
ふくおかFGの25年3月期の純利益は前期比12%増の685億円を見込む。年間配当は130円と前期より15円積み増す。五島久社長は今後の金利上昇の影響について「ある程度の上昇は想定するが、保守的なシナリオを持っている」と語った。
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