袖ケ浦に展示されている「カクラ・クルクル」=袖ケ浦市で2024年3月27日午前10時56分、浅見茂晴撮影
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 千葉県誕生150周年を記念したイベント「百年後芸術祭~環境と欲望~内房総アートフェス」が、市原と袖ケ浦、木更津、君津、富津の5市で開かれている。5月26日までの期間中、国内外のアート作品が展示されるとともに、Mr.Childrenの桜井和寿さんやシンガー・ソングライターのスガシカオさんらが出演するライブも予定されている。

増田セバスチャンさんの「ぽっかりあいた穴の秘密」=Photo by P.O.L.films
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 同フェスはアートを主とする「LIFE ART」と音楽を主とする「LIVE ART」を両軸にし、アートとクリエーティブ、テクノロジーの融合という新しい形の芸術表現に取り組んだ。100年後を見据えた「新たな価値」の創出を目指す芸術祭と位置づける。総合プロデューサーは音楽家の小林武史さん、アートディレクターは市原市などで芸術祭を数多く手掛けてきた北川フラムさんが務める。

 17の国・地域から気鋭のアーティスト87組が参加。絵画や彫刻、映像、インスタレーションなど多様な手法で表現した作品91点が屋内外に展示されている。5市を巡りながら、それぞれの魅力も発見してもらう。

草間彌生さんの作品「新たなる空間への道標」=ⒸYAYOI KUSAMA、Courtesy of Ota Fine Arts
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 連携イベントとして、アーティストと一緒に作品を鑑賞できるワークショップも開かれている。袖ケ浦市では3月24日、インドネシアのマルチメディア・アーティスト、ダダン・クリスタントさん(66)による、バリ島の風車「カクラ・クルクル」の制作プログラムがあり、親子連れら約60人が挑戦した。

 竹を主な素材とするカクラ・クルクルは、農民が収穫期の前後に田んぼへ設置し、田と風の神に収穫の感謝をささげる郷土民芸品。豊作を願う人々の思いが込められているという。1970年代にバリ島を訪れた際、初めて見たというクリスタントさんは、点在していたカクラ・クルクルを集めて袖ケ浦市飯富の田んぼのあぜ道に沿って設置し、アート作品にした。

 同プログラムの参加者はあぜ道の約40基をクリスタントさんらと鑑賞。その後、近くの根形公民館で制作した。職人も同席し、参加者にアドバイスしていた。完成したカクラ・クルクルは風を受けると、カランカランと乾いた心地よい音を響かせた。クリスタントさんは「子どもたちと一緒に作れて、楽しかった」と笑顔で話し、「100年後は楽観できないかもしれないが、私は楽観的でありたい」と締めくくった。芸術祭の詳細はホームページ(https://100nengo-art-fes.jp/)で。【浅見茂晴】

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