全国各地に伝わる神楽の魅力や保存の取り組みを発信しようと、「全国神楽継承・振興協議会」の事務局になっている宮崎県は、同協議会のホームページ(HP)を開設した。これまで早池峰(はやちね)神楽(岩手県)と佐陀神能(さだしんのう)(島根県)の二つの神楽が登録されているユネスコ無形文化遺産の拡張登録への機運を高める狙いもある。定例会見で宮崎県の河野俊嗣知事が発表した。
県によると、後継者不足などで継承が難しくなる中、各地が連携して課題や解決策を共有し、世界的な評価につなげるため2022年10月に同協議会を設立。現在、国の重要無形民俗文化財に指定されている40の神楽のうち早池峰神楽、高千穂の夜神楽(宮崎県)、球磨神楽(熊本県)など37神楽の保存会や関係自治体が加入している。
HPでは、協議会加入の神楽一覧と紹介をはじめ、ユネスコ無形文化遺産登録に向けた取り組みも随時掲載予定。24年度以降、英文HPも併設する。
同協議会は、26年のユネスコ登録に向けて国に働きかけていたが、政府は書道を提案することを決定。このため改めて28年の登録を目指している。
河野知事は会見で「このHPでさらに関係者が思いを一つにしてより発信していき、保存継承の取り組みの充実を図っていくことも大事だ」と話した。【下薗和仁】
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