ピアニストのフジコ・ヘミングさん=東京都世田谷区で2016年12月3日、猪飼健史撮影

 ピアノの難曲「ラ・カンパネラ」の演奏で聴衆から熱狂的な支持を得たピアニストのフジコ・ヘミング(本名=ゲオルギー・ヘミング・イングリット・フジコ)さんが4月21日、膵臓(すいぞう)がんのため亡くなった。92歳。葬儀は近親者で営んだ。後日、お別れの会を開くことを検討している。

 スウェーデン人画家の父と日本人ピアニストの母の間に生まれた。東京芸大卒業後、28歳でドイツに留学し、ベルリン音楽学校を卒業した。ヨーロッパを拠点にキャリアを重ねていたが、30代半ばに高熱を出して、一時聴力を失った。

 1999年にNHKのドキュメンタリー番組で苦難を乗り越えながらもピアノと向き合う姿が放送され、反響を呼んだ。その後、発売されたCDアルバム「奇蹟のカンパネラ」は200万枚以上を売り上げ、国内外で演奏会が開かれるなど精力的に活動してきた。

 昨年11月に自宅で転倒し、復帰を目指して治療とリハビリに取り組んでいたが、今年3月に膵臓がんの診断を受け、療養していた。

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