フランスの西洋美術界に30年携わった名古屋市出身の河村真奈さん(57)が、旅のエッセー本「パリ 世界各地を旅してきた私が惹かれ続ける愛おしい街」(自由国民社)を作家の下重暁子さん(88)と共著で書き下ろした。知る人ぞ知るフランスのスポットが詰まった一冊だ。
河村さんは多摩美術大卒業後の1992年に渡仏。美術史や美術論を学び、約30年にわたりフランスで美術の仕事に携わってきた。
二人の出会いは2005年、下重さんが審査員を務める日本旅行作家協会主催エッセイ賞で河村さんの作品が大賞に輝いたことにさかのぼる。授賞式後にパリで再会。以来、フランス旅行を共にする間柄になった。
本では、パリ市内や郊外の隠れ家のような美術館、フランス画家アンリ・マティスが建物や僧服を装飾した南仏ニースにある礼拝堂など、他にはないガイドブックとしても楽しめる。下重さんも「私のパリは本当は知られたくないけれど、あなたのパリが拡がるお手伝いができれば幸せである」と前書きした。
日本の美術オークション会社で働く河村さん。「個人的な旅の思い出が一冊の本にまとまってうれしい。旅だけでなく、一般の人々に美術品の公平な価値や値段の透明性が伝わるような情報発信や啓発活動をしたい」と意欲を新たにしている。【山田泰生】
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。