長野駅前の大規模再開発計画をめぐる動きです。開発区域内にある映画館が存続を求めて市に陳情書を提出しました。「駅前に映画館は必要」として、新しくできる建物に映画館を残すべきだと訴えています。

長野市の荻原市長に陳情書を手渡したのは、長野駅前の映画館「長野千石劇場」の支配人・大沢修治さんです。求めたのは、長野駅前の映画館の存続です。

長野千石劇場・大沢修治 支配人:
「映画文化を支える映画館をなくすのではなく、映画館を含む新たな施設が長野市の新たな文化の発信場所になるようにご尽力いただきたい」

JR長野駅善光寺口の末広町交差点近くで一帯の地権者らでつくる組合が計画している大規模再開発。高層部はマンション、低層部は商業施設などが整備される予定です。

その開発区域の中にあるのが、1950年に開業した千石劇場です。レトロな雰囲気が残り、今も多くの映画ファンに親しまれています。

一方、建物の老朽化は進んでいて、大沢さんは地権者に建て替えを要望してきましたが、再開発計画を理由に回答は「保留」されてきました。その後、組合から再開発計画の方針が示されましたが。

長野千石劇場・大沢修治 支配人:
「『現時点では映画館は考えておりません』と準備組合から言われたので、このまま計画が進んでしまうと、どうなるのか危機感を感じたので」

そこで、2024年3月から始めたのが駅前での映画館の存続を求める署名です。18日までに3710筆が集まったということです。

19日はその署名も合わせて荻原市長に提出。新しくできる建物に映画館が残るよう、市に対して、組合との調整や仲介を行うよう要望しました。

市は再開発を都市計画決定しています。民間の事業ではありますが、中心市街地の活性化など公共性が高いとして国庫補助金を含む52億円の公金投入が検討されています。

長野市・荻原健司市長:
「テナントについて、われわれがどこまで踏み込めるか、難しい側面はあるんですけど、地権者の皆さん、(現在の)テナントの方々との意見交換の場を持っていただきたいということは、(組合側に)しっかり指導していきたい」

長野千石劇場・大沢修治 支配人:
「(駅前に映画館がある)長野らしさというか、残していくべき部分は残していくことが大事。きちんと意思疎通というか、連携が取れるよう行政を交えて取り組んでいただきたい」

準備組合はNBSの取材に対し「要望の詳細を把握していないが、開発区域内の事業者には誠実に対応したい」としています。

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