奈良市在住の吉本興業お笑い芸人・サルインさん(33)が、稲作の工程を丁寧に書いた「稲作ライブ おもしろくてたいへんな田んぼの一年」を出版した。奈良出身の先輩芸人、笑い飯・哲夫さんの実家の田んぼを手伝って稲作への関心が高まったことがきっかけだった。「小学生から就農を考えている大人まで、ぜひ読んでほしい」と話している。【前本麻有】
サルインさんは石川県出身、奈良教育大卒。教員を志望しつつも興味があった吉本興業の芸人養成所(NSC)へ。23歳で芸人となり大阪の都市部に足を運ぶことが増え「ビルばかり。自然にふれたい」と感じていたところ、先輩芸人のエナジー西手さんを通じて約7年前から哲夫さんの田んぼを手伝うようになった。
次第に哲夫さんのところだけでなく、地域の田んぼを手伝ったり桜井市立城島小学校の児童と一緒に田植え体験をしたりと、年間を通じて稲作に携わっている。さらに稲作について調べようとしたが、化学式が並ぶ高度な専門書か家庭菜園レベルの簡易な本しか見当たらず、「詳しいけどわかりやすい、中間のものが欲しい」と思って自ら執筆した。
中学社会、高校地歴・公民の教員免許を持っていることもあり、著書はわかりやすい。田おこしから収穫だけでなく、精米方法やわらの片付け、来期に向けた準備なども細かく紹介。誤りがないかJAなどに聞き取りや確認も重ねた。
他にも、ペットボトルが入った袋を持ち上げる「わらの強さ実験」や肥料袋に記された数字の意味など、多彩な内容で自由研究のヒントにもなりそう。イラストも自身が描いた。「毎日食べる米のことを知り、田んぼの作業を見かけたら『あ、本で読んだやつ!』と理解してもらえたらうれしい」と語った。くもん出版、1650円。
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