「伝統的酒造り」が世界文化遺産に登録し、国の唯一の研究機関「酒類総合研究所」で麹作りが公開されました。
【研究所の職員】
「酒造りやビール造りは衛生面うるさいので」
関係者以外は立入禁止。
これまで非公開とされた麹を造る部屋の中にカメラが入りました。
【辰已アナ】「失礼します…」
【カメラマン】「めちゃくちゃ曇る…」
「サウナの中みたいなムシムシしています」
《パラグアイ・日本時間午前3時45分ごろ》
5日、ユネスコの無形文化遺産に登録が決定した「伝統的酒造り」。
【酒類総合研究所・福田央理事長】
「伝統的酒造りに関する製法なのか味覚なのかは別として一つの教養として知っていただきたいという領域に入ったのではないか」
国の唯一の研究機関として東広島市で活動する「酒類総合研究所」。
清酒や焼酎、泡盛などの専門職員が常駐し、酒税の適正な課税や酒類の発展のために高度な分析や鑑定をしているほか、酒造技術などの講習を行い酒類製造を担う人材の育成にも力を入れています。
研究所の一室にはこうしたおよそ300種類の「菌株」も…。
災害などイザという時に備え冷凍保存もしているのだといいます。
そして研究所で毎年この時期、”非公開”で行っている実験や分析のための「酒造り」がこの度の登録を記念して報道公開されました。
【研究所の職員】
「温かいので中のほうが麹菌増殖していると思うので白っぽくなっている」
数日かけて研究所で行う麹造りは”原始的”なもので、5日は30度から40度に温度管理された麹室で行う「盛り」の作業。
【辰已アナ・研究所の職員】
「あつい…蒸したコメだとモチモチしているのかと思ったら意外にパラパラ。ほんのりお米の…食べられるんですか?
「菌がいっぱいいるところのほうが甘い」
「パラパラのお米って感じです。ほんのりあまい」
「これからが麹菌が酵素を生産する本番を迎える前なので、これが明日の朝には甘くなる」
この麹菌をふりかけた米を木製の箱に小分けするなど、麹造りは非常に大変な作業で最近の酒造りでは全てを手作業でやることが少なくなり小分けせず量を増やしたり、機械に頼るなど省力化も進んでいるといいます。
【酒類総合研究所・福田央理事長】
「いま酒造会社では一つの付加価値のつけかたとして長期熟成酒というものについて取り組んでいる藏もある。おそらく今後私ども日本酒と思っているのとは違ったジャンルのものが海外に向けて商品開発されていくのではないかと思っている」
一方、今回の無形文化遺産登録を受けて”酒豪”として知られる岸田前総理も喜びのコメントを発信しています。
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