日本酒などの「伝統的酒造り」が日本時間の12月5日、ユネスコの無形文化遺産に登録されました。酒どころ・秋田の酒蔵は、販路の拡大や技術の継承に期待を寄せています。
南米パラグアイで開かれている国連科学教育文化機関(ユネスコ)の政府間委員会は、日本の「伝統的酒造り」を無形文化遺産に正式に登録することを決めました。
「伝統的な酒造り」は、杜氏や蔵人などがこうじ菌を用いて日本各地の気象・風土に合わせた酒造りをする伝統的な技術です。
「感動しました。世界で、この日本酒が、こうじが認めてもらえたということが画期的なことですし、日本の文化が世界に広まったということで本当にうれしいです」
こう話すのは、150年以上の歴史がある秋田・横手市の「阿櫻酒造」で杜氏をまとめる照井俊男さんです。照井さんは喜びをかみしめながら、いつもと変わらず仕込み作業に励んでいました。
また、照井さんは「海外のお客さんの口に合うような、向こうの食べ物に合うような酒造りをやっていきたい。酒を造る励みになりました」と海外への販路拡大に意欲を見せています。
阿櫻酒造は、登録をきっかけに若い世代に「酒造り」に興味を持ってもらい、技術を継承することに力を入れるということです。
阿櫻酒造・照井俊男さん:
「頑張ってきてよかったという実感がある。若い人たちが継いでいってくれれば思い残すことはない」
横手市は、いぶりがっこなどの発酵食品をあわせて広くPRする考えで、食農推進課の伊藤孝太さんは「こうじ菌を使って作られる発酵食品全体への注目度が高まることが期待されている。この機会に、豊かなこうじ文化が栄えた横手の発酵食の魅力をさらにPRしていきたい」と話しています。
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