第4期白玲戦七番勝負を4勝2敗で制して防衛を果たした西山朋佳白玲(29)の就位式が3日、東京都渋谷区の新将棋会館で開かれた。挑戦者の福間香奈清麗(32)が妊娠に伴う体調不良で2局連続で不戦敗となり、異例の決着をしたシリーズ。西山白玲は、谷川浩司十七世名人が1983年に21歳で初めて名人を獲得した際に「1年間、名人位を預からせてもらいます」と述べたことに触れ、「今回の結果は複雑な気持ちがないわけではない。谷川先生の言葉にあやかって1年間、白玲位を預からせていただくことで自分の心のよりどころにする」と微妙な心情をのぞかせた。
西山白玲に先立って、羽生善治・日本将棋連盟会長が谷川十七世名人の発言に触れ、「棋士の性分だと、西山さんもやや不思議な感覚でこの場にいると思う。西山さんも今期は白玲を預かって、来年の防衛戦に全力を出してまた素晴らしい対局を見せてもらいたい」とあいさつ。西山白玲は謝辞でこれを受けた形となった。
今期白玲戦は第1局を西山白玲、第2、3局を福間清麗が制した。その後、西山白玲の新型コロナウイルス感染が判明して2週間延期された第4局で西山白玲が白星を挙げて五分の星に追い付いたが、第5、6局は対局が行われないまま終わった。
白玲戦を主催するヒューリックの西浦三郎会長は「福間さんの出産は大変おめでたい話。前から連盟には『こういう事は間違いなく起きるので細かいルールを作った方がいい』という話はしていた」と苦言を呈した上で、西山白玲に対して「今期で3期白玲を取った。早くクイーン白玲(通算5期)を取っていただきたい」と激励の言葉を贈った。【丸山進】
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