2024年に開校した秋田県鹿角市の鹿角高校の演劇部。新たな校名で挑む県大会に向け稽古を積み重ねる部員たちの様子を取材した。

鹿角市の花輪高校と十和田高校、小坂町の小坂高校が統合し、2024年に開校した鹿角高校。

校内で発声練習をしているのは演劇部のメンバー。前身の3校のうち、唯一演劇部があった花輪高校の活動を引き継ぎ、現在は6人の部員が所属している。

人数は少ないながらも協力しながら楽しく演劇に取り組んでいる。年に一度の力試しの機会でもある10月の地区大会を勝ち抜き、県大会への出場を決めた。その県大会を控え部員は大会で披露する演目の稽古に打ち込んでいた。

披露する演目のタイトルは「ただ恋しただけなのに」同じ人を好きになってしまった2人の女子大学生の物語で、部長で2年生の諏訪 恋雪さんと同じく2年生の内藤 雪乃さんが演じる。出演者は2人だけで、上演時間は約60分。会話劇で物語が進むため驚くのはセリフの量だ。

諏訪 恋雪さん:
「セリフ覚えが大変なので朝に2人で練習したりとかせりふ覚えを頑張っている。(Qせりふ入るまでどれくらいかかる?)2カ月?1カ月?…1カ月!」

その脚本は2人と同学年の中西 椿さんが、「七夕」をテーマに盛り込んで2カ月かけて書き上げた。演出も中西さんが担当していて話し合いながらセリフの言い回しや照明音響な細かい調整を重ねていく。

中西 椿さん:
「照明で星球があるが、星ができ先輩からきれいだよって言われて使ってみたくて、じゃあ七夕でやろうって。(Qするする書けた)いや全然!」

苦労して書き上げた脚本…その結末を明かすことはできないため、部員たちに最初の印象を聞いてみると、「感動したよね、泣きそうになった、まさかさ、こんな結末になるとは…」と話してくれた。

花輪高校時代は毎年のように東北大会に出場し、強豪と呼ばれた時代もあったという演劇部。ただ最近は上位の大会に進めていないのが現状だ。

一方で、2024年は県大会とそのあとの東北大会がともに秋田県大館市で開催される。東北の強豪校が集まる大会が近くで開かれる…まだまだ自分たちには課題があると話すものの意識をせずにはいられない。

内藤 雪乃さん:
「地区大会で観客から感動したという言葉をもらえたし、ここが不自然という言葉ももらえたのでアドバイスも生かして精いっぱい楽しんでやりたい」

諏訪 恋雪さん:
「4カ月くらいやっててその分の成果を全て出し切れたらいい。(目標は)県高校演劇コンクールで最優秀賞をもらって東北大会に進出すること」

鹿角高校演劇部として初めて臨む県大会…新たな歴史を刻もうと生徒たちは本番の日まで稽古を積み重ねる。

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