エンタメなら何でもあり、それが私の流儀だと語るチョー AMY SUSSMAN/GETTY IMAGES
<SFホラー映画『AFRAID』で父親役を演じたジョン・チョーが語る出演の経緯と監督への思い>
いつも何げなく使っているデバイスやアプリ(スマートフォンや音声AIアシスタントのSiri〔シリ〕やアレクサ)が、実は底知れぬ恐怖の存在であったなら──。その怖さを、クリス・ワイツ監督作品『AFRAID(アフレイド)』(8月30日全米公開)に主演したジョン・チョーは知っている。
【動画】『AFRAID(アフレイド)』予告編
「私自身、シリとの関係は難しくてね。もう長い付き合いだが信用はしていない」。そう語るチョーが演じたのは、急に敵対してきた音声AIアシスタントから家族を守るために奮闘する父親の役だ。
「うちの子が小さい頃は、パソコンやiPadの影響にまで考えが及ばなかった。あれは開かれたトンネルで、子供たちはあれを通じて外の世界とつながっていたのだが」
そんな反省が背中を押したのは確かだが、チョーがこの役を引き受けたのはワイツ監督の存在ゆえだ。「今度の脚本は素晴らしかったが、ひどかったとしても引き受けたね。彼が好きだから」
結果、今度の映画はチョーの極めて多彩な経歴に新たな1ページを書き加えた。「エンタメなら何でもあり。それが私の流儀だ。特定の路線に収まるのは性に合わない」と語るチョーに、本誌H・アラン・スコットが聞いた。
◇ ◇ ◇──この映画のどこが気に入ったのか?
ある意味、ホラー映画の古典的設定だよね。家の中にモンスターみたいなのがいて、そいつが家族の関係を狂わせ、一人一人の間にくさびを打ち込み、いろんな形でみんなを危険にさらす。すごく面白いし、説得力がある。
──いつものクリス・ワイツ作品とはずいぶん違うが、その変化に驚かなかった?
彼が限界を超えようとして、なにか違うことをやろうとしていることには驚かなかった。これまでの彼の経歴を見れば分かるじゃないか。『アメリカン・パイ』に始まって『ライラの冒険 黄金の羅針盤』をやり、今度はこれ。「この人ならオリンピックの全種目に出場できるんじゃないか」と思いたくなる。
──ホラーというジャンルのどこに興味を持った?
恐怖ってのは物語の出発点として最高だと思うね。演じていて楽しいし、興味深い状況もたくさんある。
──この映画で、あなたは熟女ならぬ「熟男」の仲間入りを果たしたことになる。
クリスは『アメリカン・パイ』で私に、「あの女は熟女だ」というせりふをくれた。その彼の映画で父親役を演じることになるとはね。彼は私のキャリアの父だが、きっとこうなるように仕組んでくれたんだな。だから、熟男で何が悪いって感じだ(笑)。
【動画】『AFRAID(アフレイド)』予告編
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