【南城】南城市の奥武島グラウンドで13日、嶺井門中の一部が集う4年に1度の「オリンピック」があった。「しんかぬちゃー(仲間たち)、入場!」の号令で行進した選手は300人以上。故嶺井藤八さん・ウシさん夫妻の子、孫、ひ孫、やしゃご、さらに来孫(らいそん)まで計5世代が県内外から駆け付けた。開催は8年ぶり7回目。「ミネリンピック」の愛称で全国的に報道された年もあるという。屋号ごとに計6チームが競い「東徳前(アガリトクメー)」が4度目の優勝を飾った。(南部報道部・平島夏実)

 イベントはアトランタ五輪のあった1996年、親睦目的で始まった。発起人の嶺井哲夫さん(64)ら3人は「小さな島の小さなイベントでしたが、世間でも大きく取り上げられるようになりました。今日はみんなが金メダル。無理せず笑って楽しみましょう」と選手宣誓した。

 会場には親族約410人分、長さ10メートルの家系図が張られた。最年少選手は1歳3カ月の河野由依ちゃん。最高齢の嶺井シゲさん(96)は車いすで参加し「こうやって若い人たちがみんな仲良しでね。涙が出るんですよ」と目をしばたたかせた。

 競技は全部で13種目。重さ5キロ以上のバトンを準備して臨むのが条件の「て~げ~なんぎリレー」では、各チームが袋に入れた水割りセットや漁網を担いだ。全員参加の「むぬかんげー○×クイズ」や「世代をつなぐ! まんちゃ~リレー」も。嶺井尚人さんら実行委員12人が約1年かけて話し合ったアイデアが光った。

 「島ぞうり飛ばさ~」は、履いた島ゾウリを向かい風で飛ばして距離を競う種目。トップバッターの吉本憲将さん(13)は風にあおられ「マイナス3メートル30」の記録を出した。会場が爆笑に包まれる中「助走しない方が良かったかも」と嘆いた。大阪府から参加した北西崚馬さん(27)は9メートル50をマーク。勤務先で休憩時間にひたすら練習を重ねたといい「すごく理解のある会社です」とほほ笑んだ。ウサギやカメと触れ合える特設コーナーや無料で持ち帰りし放題のバザーもあり人気だった。

(写図説明)「ミネリンピック」に集結する嶺井門中。屋号ごとにTシャツのカラーをそろえた=13日、南城市・奥武島グラウンド

(写図説明)「ミネリンピック」で、ハーリー鉦(がね)の合図とともに駆け出す嶺井門中の子どもたち

(写図説明)大会実行委員長の嶺井尚人さん(左)に選手宣誓する発起人ら

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