新型コロナウイルス禍でも途切れることなく開催し続け、ライブエンターテインメントの居場所を守り続けてきた。屋内開催としては国内最大級のロックフェスティバル「VIVA LA ROCK(ビバラロック)」。今年は5年ぶりに「制限無し」での開催となり、5月3~6日、さいたまスーパーアリーナ(さいたま市中央区)に97組のアーティストが集う。
フェスは2014年にスタート。「ビバラ」の愛称でゴールデンウイークの風物詩として定着したが、20年春からの新型コロナ感染拡大で開催の危機に陥った。
中止も検討されたが、「今できる形で何とか音楽を届けたい」と開催時期を夏にずらして、オンライン配信で実施した。収録会場では、ステージ裏でアーティスト同士を接触させないなど感染対策を徹底した。
21、22年は、会場内に消毒液を設置し、歓声禁止やマスク着用などのルールを設けて有観客で開催した。10回目の節目を迎えた23年はマスク着用は任意とし、客席からの声出しも解禁。5日間で過去最多の約12万3000人が来場した。
今年は制限なしでの開催で、会場まで来られない人のために「ビバラ! オンライン2024」と題したフェスの有料配信を実施。5日には配信を大音量で体験してほしいと、北海道、宮城、愛媛、熊本の4カ所でライブハウスでのライブビューイングも開催する。
11回目となる今年、フェスのプロデューサーが、いずれも音楽ジャーナリストの鹿野淳さん(59)から、有泉智子さん(44)に変更となった。今年で還暦を迎える鹿野さんが「次世代にバトンを渡したい」と変更が決まったという。有泉さんは「まだ出合ったことのない音楽を来場者に届けたいとの思いから、初出演のアーティストが増えた」と今年の特徴を語る。チケットの売れ行きはこれまでで最も速かったといい、「10回続けてきた実績が評価してもらえたのでは」と分析する。
開催を前に、有泉さんは「多くのアーティスト、ファンに支えられてここまで続けてこられた。次なる10年の第一歩として、11回目の今回に全力で臨みたい」と話している。
3日にはロックバンド「L′Arc~en~Ciel(ラルク アン シエル)」のボーカル、HYDE(ハイド)さんが初登場。4日には星野源さんが8年ぶりに出演する。
チケットは完売したが、会場近くの「けやきひろば」では入場無料の「VIVA LA GARDEN」を開催。屋外ステージのほか、県内ゆかりの飲食店がブースを並べる「さいたまグルメストリート」などが楽しめる。フェスの詳細は公式ホームページ(https://vivalarock.jp/2024/)。【加藤佑輔】
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