韓国国会の委員会に出席した人気アイドルグループ「NewJeans」のハニさん=ソウルで2024年10月15日、ロイター

 韓国の女性アイドルグループ「NewJeans」のメンバー、ハニさん(20)は15日、所属する芸能事務所グループ内でいじめにあったとして、国会の環境労働委員会に参考人として出席した。NewJeansのファンが雇用労働省に調査を求めていた。

 ハニさんは9月中旬にユーチューブの配信で、大手芸能事務所HYBE社内で別のグループとすれ違った際に、そのグループのマネジャーが「ハニを無視しろ」と言ったと告発していた。この日の委員会では「私は何度もこういう目にあった」と主張。同社の幹部にあいさつを無視されたり、社員に悪口を言われたりしたなどと説明した。

人気アイドルグループ「NewJeans」のハニさん(左)=ソウル市で2024年7月11日午前、日下部元美撮影

 HYBEの子会社でNewJeansが所属する「ADOR」のキム・ジュヨン代表も参考人として出席した。キム氏が「取れる措置は全て取ったが、もう少しうまくできる部分があったのではないかと思う」と述べると、ハニさんは「最善を尽くしたとは思わない。私たちを守ってくれると言ったが、措置をとる意志もなかった」と反論した。

 ハニさんが「お互いに人間として尊重すればいじめは起きない。先輩、同期、後輩、練習生たちがこのような心配をすることがないといい」と涙する場面もあった。

 今回の問題を巡っては、勤労基準法で禁止する職場内のいじめに該当するかが焦点となる。事務所と専属契約を結んでいる芸能人の場合、同法が定める労働者として認定されないケースが多い。

 委員会で議員らは、これまでもアイドルに対する不当な契約やパワハラなどが問題になってきたとし、「特定のアイドルグループの問題やゴシップと見てはならない。政府と国会が対策を取らなければならない」と指摘。雇用労働省側は「現行法上適用しにくい現実がある」とした上で、「保護の方法について他省庁と協力できる部分があるか検討する」と回答した。

 いじめの告発に先立ち、4月にNewJeansの生みの親で、ADORの代表だったミン・ヒジン氏とHYBE幹部の対立が表面化した。8月にミン氏は代表を解任された。ミン氏もHYBEの幹部から嫌がらせを受けたなどと訴えていた。【ソウル日下部元美】

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。