お渡りで御旅所から勝手神社に向かうオチズイを背負った中踊の列=三重県伊賀市山畑で2024年10月13日午後1時37分、大西康裕撮影

 国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録されている三重県伊賀市山畑の風流踊(ふりゅうおどり)「勝手神社の神事踊」が13日、登録後初めて御旅所から神社へのお渡りから境内での5曲の踊りの奉納まで行われた。降雨で早々に打ち切られた2023年分も合わせ「秋晴れの下で2年間の集大成を見てもらえた」と保存会は達成感をにじませた。雨天や新型コロナウイルス感染症の影響でフル開催自体が5年ぶりだった。

 お渡りの行列は神社の東約1キロの御旅所を午後1時半出発。背に華やかなオチズイを背負い胸に「カッコ」と呼ぶ太鼓を付けた「中踊」6人ら総勢約25人が約30分かけて神社に到着した。境内で行列のうち約20人が立歌、地歌の「歌出し」5人と「楽太鼓打」4人を中踊が囲む配置に付いて踊りを始め、約2時間で5曲の踊りを奉納した。

勝手神社の神事踊で花笠をかぶり赤い垂で顔の見えない、うちわを持つ立歌(左)とバイを持つ楽太鼓打(右)。周りにオチズイを背負う中踊6人がいる=三重県伊賀市山畑で2024年10月13日午後2時28分、大西康裕撮影

 勝手神社神事踊保存会長の谷口剛さん(71)は「久しぶりなのでフル開催は初めての新人が5人いました。ユネスコ登録で見にきてくれる人も増え、披露できてほっとしています」と話した。勝手神社の神事踊は毎年、10月の第2日曜に奉納される。【大西康裕】

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