東北大学の卒業生、小田和正さんが東日本大震災のあと自らが作詞・作曲した「校友歌」を東北大学に寄贈しました。歌には震災後の学生たちを勇気づけようという思いが込められていました。
9月、東北大学川内キャンパスで開かれた「ホームカミングデー」。例年やってくるのは東北大学の卒業生が中心ですが、今年の様子はいつもとは違いました。
東北大学卒業生の小田和正さんの特別展示が、今回、初めて開催されました。初公開の大学入学当時の写真です。横浜市出身の小田和正さん。東北大学では合唱部に所属。在学当時について語る映像があります。
小田和正さん
「4年目、帰るんだって思うと本当に後ろ髪を引かれる思い。とてもいい4年間を過ごしたなと。今もコンサートで仙台に行くたびに、ここに4年いたんだなって、とても不思議な気持ちなんだけれども」
東北大学では工学部建築学科に所属していた小田和正さん。こちらも初公開となる、卒業制作の建築設計図などが展示されました。ファンにはたまらない貴重な資料ばかりです。
小田和正さんは東日本大震災のあと、東北大学に歌を贈りました。「緑の丘」です。
「なだらかな坂道を上れば川内、広瀬川から幾重にも重なる緑の丘」
東北大学の情景を思い浮かべるような歌には、小田和正さんの熱い思いが込められていました。楽曲の製作を依頼したのは、当時就任したばかりの里見進元学長でした。
東北大学 里見進元学長
「学生を元気づける施策として、本学出身の小田和正さんに新しい学生歌を作ってもらうのはどうだろうかとの提案がありました」
東日本大震災直後、入学式や卒業式も開くことができなかった中、学生たちを勇気づける歌を作ってもらえないかと、直接手紙で依頼しました。
小田さんはこの依頼を快諾。約1年間の製作期間を経て完成させました。楽曲は東北大学の合唱団によって、校友歌として歌い継がれています。
合唱団の元部員
「まさか、大先輩の小田さんから、我々に直接お話が来るとは思っていなかったので驚きが一番でした」
東北大学での青春の日々を歌った「緑の丘」は、こんな歌詞で締めくくられています。
「そしていつか杜の都仙台はふるさとになって行く」
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