市制20周年を迎えた徳島県吉野川市と、町制70周年の同県板野町が記念事業として共同製作する映画「道草キッチン」で、200人のエキストラを募集している。出演するのは13日(荒天時は14日に順延)に吉野川市のJR鴨島(かもじま)駅前通りで撮影が予定されている阿波踊りのシーン。8日には同町の道の駅「いたの」でロケがあり、町民がエキストラとなった。
企画書によると、26年ぶりに映画の主演を務める俳優の中江有里さんが主人公の桂木立(りつ)を演じる。都会で小さな料理屋を営み、身寄りがなく、1人で生きていこうと決めていた矢先、再開発の余波で閉店に。不安を抱え、ぼう然としていたところ突然、吉野川市から相続の通知が来て、徳島に移住することになった。そこで、板野町の食材で作られたベトナム料理に出会い、自らの生き方を見つめ直すというストーリーだ。
監督は、神戸市出身の白羽(しらは)弥仁さん。徳島県内では5日から22日まで撮影し、2025年秋に全国公開を予定している。白羽監督は取材に「吉野川市は東西に広く、西に行けば行くほど自然の豊かさや奥深さを感じる。板野町は農家の女性が開拓精神というか元気がいいのに驚いた。ゆったり過ごす中で、人生を立ち止まって考える『時間の豊かさ』を描きたい」と意気込みを語った。
中江さんは「かって喫茶店の娘だった私にとって、この映画は人生のアナザーストーリーのようでもあり、不思議な運命を感じます」とコメントした。
エキストラは、真夏の阿波踊りの見物客役で、うちわや手持ち扇風機を持参するなど真夏の服装での参加が条件。事前申し込みは不要で、13日午後1時に吉野川市の「日本フネン市民プラザ」前に集合し、同6時ごろに終了予定。県民にかかわらず誰でも参加できる。小学生以下は保護者同伴。問い合わせは市長公室(0883・22・2203)。【山本芳博】
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