仙台七夕まつりが8月6日始まりました。仙台市中心部の会場から中継です。

青葉区のクリスロード商店街からお伝えします。
「仙台七夕まつり」は伊達政宗の時代から続くといわれる伝統がありますが、今年から新たな取り組みが始まりました。

「くす玉の具体的なデザイン案です。くす玉はダリアの花がモチーフです」
自分たちで考えた七夕飾りのデザインを発表しているのは、常盤木学園高校の3年生たち。地域のイベントに関心を持ちビジネスを学ぶきっかけになってほしいと地元の企業が依頼したことで始まりました。ビジネスコースで学ぶ生徒たちは、七夕飾りの制作を通してコンセプトの決定からデザインの制作まで自ら考えることでビジネスに必要なスキルを学びます。
どのグループも趣向を凝らしたデザインで審査員は頭を悩ませていましたが、選ばれたのは常盤木学園高校3年の中村夏菜さんと吉田百花さんがデザインした、赤と緑の吹き流しにカラフルなくす玉がついた七夕飾りでした。
2人が完成した七夕飾りを目にするのは6日が初めて。制作は地元の紙店が担いました。

先月末、高校生がデザインした七夕飾りの制作は佳境を迎えていました。
制作を手掛ける橋本さんは七夕飾り制作歴40年以上の大ベテランです。3メートルの和紙を生徒が考えたデザインになるようにバランスよく曲げ輪に貼り付け、「吹き流し」を作ります。さらに折り花をつけて完成です。
くす玉と吹き流しを合わせた高校生デザインの七夕飾りが完成しました。今回は他にも2年生がデザインしたものもあり、ニコちゃんマークのくす玉や和紙に銀色の星が施された吹き流しなど、工夫を凝らしたデザインばかりです。

鳴海屋紙商事 七夕制作担当 橋本しのぶさん
「こういうデザインは出てこないと思いますよ。我々、型にはまったみたいな人ばかり。昔からやっているので、なかなかこういう発想は出てこないのかな」

ベテランもうならせる斬新なデザインの七夕飾り。伊達政宗の時代から約400年続くといわれる仙台七夕まつりですが、実は、これまでも新たなアイデアを取り入れながら伝統を受け継いできた歴史があります。
これは大正時代、現在の国分町近くで撮影された写真です。飾りがついた竹竿が各家庭から掲げられています。

佐藤正実さん
「元々七夕は祈りの祭り、願いの祭りですから。各家で作って飾る。これが七夕の基本になっていたわけですね」

仙台の歴史に関する書籍などを出版している佐藤正実さんは、もともと各家庭で作っていた七夕飾りは、昭和に入ると、商店街による豪華絢爛な「魅せる七夕」に変化していったと話します。

佐藤正実さん
「大漁船の模型が竹飾りに吊るされていたり、こっちにはプロペラ飛行機が飾られたりするんですね。魅せる七夕というのが今の七夕にだんだんつながっていく」

くす玉と吹き流しがセットになった仙台発祥の「七夕飾り」が見られるようになったのは、今から90年ほど前からだといいます。少しずつ形を変えながら伝統をつないできた仙台の七夕まつり。今年から、高校生という新たな担い手が加わったことについて佐藤さんは期待を寄せています。

佐藤正実さん
「伝統だけじゃなくて新しいアイデアを入れていくのは、今までの七夕でずっとやってきたことなので、そういった若い感性というのはすごく歓迎するべきことだと思いますし、今年の楽しみではありますね」

それぞれの思いが詰まった七夕飾りが見られる仙台七夕まつりは8月8日までです。

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