国指定の重要無形文化財の保持者「人間国宝」が新たに誕生します。「八重山上布」の新垣幸子さんが人間国宝に認定されることになりました。

石垣市に住む新垣幸子さんは、高校を卒業後、現在の県工芸振興センターである県工業試験場染織課で染織技法を習得しました。

その後、染織家の大城志津子さんに師事しながら、石垣英富さんのもとで、八重山上布を学びました。

石垣島や宮古島に残る古文書などをもとに、琉球王国時代の八重山上布についての調査研究と復元に尽力し、伝統的な絣織の技法を解明し、括り染め技法を復活させました。

新垣幸子さん:
「こういう図案によって、王府時代は御用布と言いましてね、織られたものなんですね。当時の女性たちがこんな難しいものを織ったんだなと思いますと、私たちができないとは言えないわけですよね。頑張って織らなきゃいけないなと思いましてね、これだけ白い部分を括っているわけですよね。でもやっぱり地域の物は地域の人が研究してやらないといけないなということで、この古いものから大変感じました」

新垣さんは、1998年に、現代の名工に認定され、沖縄県立芸術大学の非常勤講師や、多摩美術大学の客員教授も務めるなど、後進の指導・育成にも尽力してきました。

伝統的な八重山上布の技術を基に、透明感あふれる色彩を表現した、新垣さんの括り染めならではの自由で伸びやかな絣模様は、高い芸術性を評価され人間国宝に認定されることになりました。

新垣幸子さん:
「文化庁からお電話いただいたときは本当にびっくりしまして、本当にいいんでしょうかということで、つい考えさせてくださいと申し上げたんですが、大変なことだったと思うんですね。今までやってきた仕事をまたこれから追及していきたいと思います。若い人たちにうまく指導できていければいいと思いますね。繋がっていけばいいと思います」

八重山出身で人間国宝に選ばれるのは、紅型の玉那覇有公さんに次いで2人目です。

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