インタビューに答える万博催事検討会議の大﨑洋共同座長=13日午前、大阪市浪速区(山田耕一撮影)

2025年大阪・関西万博開幕まであと1年。来年4~10月の会期中は(参加国のほか日本の省庁や自治体、民間団体、個人がそれぞれ企画して行う)催事(イベント)を予定しており、今月9日に116件の第1弾リストを公表した。

おかげさまで世界中から多数の参加のオファーをいただいており、どうやって実現させようかと、日本国際博覧会協会とともにうれしい悲鳴をあげている。催事検討会議としてこの1年、ラストスパートをかける。

催事全体のテーマは「祭り」。みこしや山車(だし)には日本人の美意識が詰まっている。3月下旬に会場の大屋根(リング)を見に行った。リングの下を祭りの行列が練り歩いたら、かっこいいやろなあ。海外の人には(青森ねぶた祭や徳島の阿波おどりなど)出展されるお祭りをみて、そして体験して、日本人の心の琴線に触れるものを感じ取ってもらいたいね。

それだけじゃない。先日、新幹線で東京から大阪に移動中、あぜ道に沿って並ぶ満開の桜の木々に目を奪われた。観光スポットではないけど、こんな見事な場所があったのかと。海外の人も日本人も、季節ごとに万博会場を訪れて、そのたびに違う日本、まだ知らない地方の名所を発見し、各地に足をのばしてもらえたら、うれしい。

世界中の人が集まる万博は、思いがけない出会いの場になる。その出会いの中で、合理性や論理性を飛び越えて、ドキドキ、ワクワクする体験が必ずあるはず。

一方で、万博には身の回りの不安や困りごとを解決しようという目的もある。祭りなど催事への参加を通じて、皆で楽しみながら社会課題を解決していこうという空気をつくれればいいかな。

異質なものを受け入れる大阪は、いい意味で雑多、ごちゃごちゃ。寛容の精神があって、多様性のカルチャーを生む風土がある。ここをどう生かしてレガシー(遺産)につなげるかを考えるべきやと思う。

(トップを務めて昨年退社した)吉本興業と連携するんじゃないかって? それは、ないです。笑いについては、大阪・関西人のサービス精神が自然と出てくると思うので。そのほうが、じわっと体感してもらえて、ええんちゃうかな。(聞き手 清宮真一)

=おわり

万博開幕まで1年
  • 松本正義・関経連会長 文化的にもポジティブな効果を期待
  • 石毛博行・万博協会事務総長 難所越え記憶残る舞台に
  • 吉村洋文・大阪府知事 ライフサイエンスと移動革命、レガシーに
  • 横山英幸・大阪市長 ドラえもんの世界、現実に 可能性は無限大

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