ゲームやアニメで世界中で人気の「ポケットモンスター」(ポケモン)を工芸で表現した「ポケモン×工芸展 美とわざの大発見」が6日、静岡県熱海市のMOA美術館で始まった。人間国宝から若手まで現代日本を代表する作家20人が陶芸や漆工、金工、染織、陶芸など約70点の作品を制作・出展した。独特の質感や存在感がポケモンたちの新たな魅力を生み出している。
展示会場に入ってすぐに目に入るのは、金工作家の吉田泰一郎さんの作品。青銅や金銀メッキなどの技法を使い分けて迫力あるポケモン4匹を創作した。このほか、貝殻を薄く研ぎ出して漆で貼り合わせる「螺鈿(らでん)」の技法を使った作品、沖縄の染め物「紅型(びんがた)」で表現した作品など、さまざまな素材と技法を使った器や着物、帯留めなどが並んでいる。
会場では、「すごい」と息を飲んで目を輝かせる子どもや、精緻な作品に目を近づけて見入る大人の姿もみられた。MOA美術館の内田篤呉館長は「ポケモンと工芸家が出会い、化学反応が起きている。子どもとその家族が、ポケモンを通して日本の美を楽しんでいただければ幸いです」と話している。
会期は9月9日まで。同美術館の能楽堂では伝統柄「工字繋(こうじつな)ぎ」の着物姿のピカチュウと一緒に記念写真が撮れるイベントが今月14日、8月11、25日、9月8日にある。観覧料は当日券で一般1760円、高校生・大学生1100円、中学生以下無料、65歳以上1540円。【若井耕司】
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