画面上で演奏するバーチャルアーティスト(左奥)とリハーサルで共演する東京交響楽団=2024年6月26日午後2時56分、和田浩明撮影

 東京交響楽団は26日、本拠とするミューザ川崎シンフォニーホール(川崎市幸区)で「バーチャルアーティスト(仮想芸術家)」であるピアニストとのリハーサルを公開した。記者会見した同楽団正指揮者の原田慶太楼さんらによると、クラシックのオーケストラによるこの種の共演は「世界初」。8月12日に同ホールでお披露目される。

 バーチャルアーティストは、人間の演奏者の動きを電子的に追跡し、リアルタイムで三次元アニメーションとして再現したもの。出版大手KADOKAWAと映像コンテンツ配信のドワンゴが技術面を支える。プロデューサーの小池翼さんは「(バーチャルアーティストによる)演奏表現で、個人が活躍できる場にしたい」と話す。

 演奏するのはオーディションで選ばれたピアニストで、演奏名は「潤音(うるね)ノクト」。会見で「クラシックの新たな一歩になる」と話した。

 26日のリハーサルを指揮した原田さんは「日本のアニメやテクノロジーがマリアージュ(結婚)した空間が生まれる」と共演に意欲を見せる。演奏曲は、米国の人気曲で100年前に発表された「ラプソディー・イン・ブルー」など。今年の川崎市制100周年にちなんだ選曲でもあるという。【和田浩明】

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