大阪市内で桜が満開となった6日、「OSK日本歌劇団」のトップスター、楊琳(やん・りん)と娘役トップスターの舞美りらの退団公演となる「レビュー 春のおどり」が大阪松竹座(同市中央区)で開幕した。伝統的な和ものと、NHK連続テレビ小説(朝ドラ)「ブギウギ」で開花した、今のOSKらしさを詰め込んだ洋もののレビュー2本立てで、2人の花道にふさわしい華やかなステージに、劇場内にも満開の笑顔が咲いた。4月14日まで。
歌に込めた愛と感謝
第1部「春楊桜錦絵(ヤナギニハナハルノニシキエ)」(山村友五郎構成・演出・振付)は、OSKの強みである「舞」を基調とした和もののレビューだ。
元禄若衆の艶やかな歌と舞や、近年は上演機会が減っていた民謡メドレー、楊がクールな色気で圧倒する男役たちの迫力の殺陣など、どのシーンにも日本の匂いが満ち、エネルギーがほとばしる。
楊がフィナーレでソロで歌うオリジナル曲「櫻よともに舞え」は、楊自身が抱くファンや仲間への愛と感謝が歌詞に込められている。
「かけがえのない時間です」
第2部「BAILA BAILA BAILA」はスペイン語で「踊れ 踊れ 踊れ」の意味。「ブギウギ」の舞台演出を手掛けた荻田浩一の構成・演出で、「ブギウギ」でトップスター役だった翼和希らがドラマの中で披露したステージのOSK版や、笠置シヅ子の名曲でのダンスなど、朝ドラファンも胸躍るシーンが次々に展開する。
黒燕尾の男役たちの群舞の中心で発光するように美しく踊る楊、しなやかなダンスで魅了する舞美。ラストソングの「桜咲く国」まで、OSKと苦楽をともにした2人の軌跡と存在感の大きさが浮かび上がった。
舞台挨拶で楊は「皆さまと過ごす一瞬一瞬、一期一会の舞台は大切なかけがえのない時間です」と語り、と朗らかな笑顔を輝かせた。(田中佐和)
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「レビュー 春のおどり」の問い合わせはチケットホン松竹(0570-000-489)まで。
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