初夏の日差しの下、天日干しされる色鮮やかな和傘=大分県中津市で2024年6月4日午後2時47分、上入来尚撮影

 大分県中津市の工房「朱夏(しゅか)」(今吉次郎代表)で、昔ながらの手法で作られた和傘が梅雨入り前の日差しを利用して天日干しされ、色とりどりの傘の花を咲かせている。

 江戸後期、中津藩は下級武士の内職として和傘作りを推奨し、昭和初めに最盛期を迎えた。しかし、洋傘の普及でいったん途絶えたことから、19年前に同工房が「伝統文化は継承させなければ」と復活させた。

 井手誠史郎さん(75)ら3人の職人が日傘、番傘、蛇の目傘などを受注生産しており、祭りや歌舞伎用の和傘の修理も手掛ける。

 竹や木材で骨組みをし、和紙を張るなど約2カ月かかる工程はすべて手作業。天日干しは終盤で、和紙の表面に水をはじかせる植物油を塗り、10日~2週間ほど乾燥させる。【写真・文、上入来尚】

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