お隣韓国の深刻な社会問題「貧困」にスポットを当てた本作を通し、ビニールハウスで暮らす人がいるという事実を知った。

 主人公が暮らすビニールハウスは、農業目的ではなく生活することを目的に建てられたもののようで、外側は黒い遮光素材で覆われ、水回りや電気が整備され、生活環境はある程度、整っている。しかし、違法に設置されたビニールハウス。そこに暮らす人々は、書類上は住所不定のホームレスだ。

 映画は「貧困」という要素によって不幸を抱えた1人の女性が、体に染みついた不幸に人生を食いつぶされていく様子をまざまざと描いていく。

 社会派というよりもホラー映画。「貧しさ」という恐怖が押し寄せ、主人公の美しい心や、正しさ、小さな希望をむしばんでいく。壊れていく美しい主人公に理性を破壊され、気付けば激しく興奮していた。(桜坂劇場・下地久美子)

◇同劇場であすから

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