立会の屋敷伸之九段(手前)が読み上げた封じ手を指す藤井聡太名人(左)。右から2人目は挑戦者の豊島将之九段=北海道紋別市のホテルオホーツクパレスで27日午前9時、岩下幸一郎撮影

 藤井聡太名人(21)に豊島将之九段(34)が挑戦し、26日から北海道紋別市のホテルオホーツクパレスで指されている第82期名人戦七番勝負(毎日新聞社、朝日新聞社主催)の第5局は27日正午、2日目の昼食休憩に入った。決戦に踏み込んだ藤井名人が攻め続けるか、豊島九段が耐えて反撃に出るか、午後は息詰まる攻防が繰り広げられそうだ。

 豊島九段の四間飛車に対して藤井名人が4枚穴熊の堅陣を組んだ1日目は、藤井名人が2筋からの先攻を見せ、豊島九段が受けて立つ姿勢で臨んだ局面で指し掛けとなった。藤井名人は封じ手2四歩から開戦し、藤井名人が更に5五歩と金取りに突き出すと豊島九段は1時間半の長考の末、同金と取った。藤井名人は大駒交換の決戦に進め、豊島九段が6六に金を進めた局面で昼食休憩時間を迎えた。

 持ち時間各9時間のうち、昼食休憩までの残り時間は藤井名人3時間42分、豊島九段3時間17分。

 解説の広瀬章人九段は「午前中は予想された進行が時間をかけて実現した。藤井名人の攻めが続くが豊島九段の守りはまだ堅い。豊島九段は金を入手して受けに回り、藤井名人の4枚穴熊を攻略する時間を得たい」と言い、相手の堅陣をどちらが早く崩すかのスピード勝負になると見ている。【丸山進、新土居仁昌】

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