てつたま。「てっちゃん野川のローカル魂」です。
今週もゴールデンウィークに運行開始したSLやまぐち号を取材しています。
それでは…出発進行!

【SLやまぐち号出発】「いってらっしゃーい!」

今月3日、およそ2年ぶりに運行を再開したSLやまぐち号。
初日は多くの人に見送られ、津和野駅へと出発しました。
今回取材するのは、SLにけん引される客車。
2017年に作られましたが、車内は昭和初期に製造された客車を再現し、レトロに仕上げられています。
製作に携わった森川さんに5号車を案内してもらいました。

【野川アナ・JR西日本下関総合車両所新山口支所 森川泰登さん】
「ちょっと中の方を見ていこうと思います。この車両の特徴をまず教えてもらっていいですか?」
「非常に天井が高いっていうのがわかると思うんですけど、このモデルになった車両がオハの31っていう車両なんですけど、その車両もですね、この天井の高さというのが一つ特徴だったんですね。開放感というか、高さがあることで『あ、広いんだな』っていうのをちょっと感じてもらうために、こういった凸型の形状っていうのを踏襲した形になっています」
「百年前の雰囲気を味わいながら、現代の最新技術、今、我々いるところもしっかり冷房も効いて快適にいるわけですけど。座席を見ると座る部分のモケットがグリーン。この座席の色というのも、モデルの車両に則ってなんですか?」
「そうですね。緑色っていうのが、昔の旧型の客車で言うところの3等車相当、一般のお客様が座る用の座席だったんです。それを踏襲したっていう形ですね」
「今ここ触って思いましたけど、これなかなか直角ですね」
「そうですね。作る時、『本当にこの木材で大丈夫なのか』みたいな。ちょっと議論、いろいろやって。で、2時間10分くらいの津和野までの旅ですので、その間であれば、木の背ずりでも大丈夫じゃないかっていうことで」
「失礼しますね。あ、背筋が伸びますね。もちろん木ですから、『コン』という感じはありますけども、固めの座席と相まって非常に体が揺れても動きづらいというか。そしてね、網棚がやっぱり本物の網であるっていうところですね」
「これがあのちょっと惜しかったところ」
「惜しかったところ?」
「旧型の客車のほうではこれ、本当に実は網だったんですよ。糸で編まれた。今車両を作る時の基準というのが、非常に厳しくなってますので。類似するような素材を見つけようとしたんですけど、それが無くてですね。で、ちょっとやむを得ず金網に」

そして2号車から4号車は、オハ31よりも少し新しいオハ35をイメージして製造され、5号車とは少し違った雰囲気になっています。

【野川アナ・JR西日本下関総合車両所新山口支所 森川泰登さん】
「特徴的なのは、この丸い円形の屋根と、あとあの背ずりの青い色」
「なんかちょっと不思議な感じがしますよね。5号車もそうでしたけど、とてもレトロかと思いきや、ここにコンセントがあるとか。快適に過ごせるように色んな配慮がされてますね」
「あと、パッと見てもらってわかると思うんですけど、あの音が出るところ、見当たらないと思うんですけど。実はスピーカーっていうのは、この灯部の中に埋め混んでいて」
「この中にっていうことですか?」
「そうですね、なかなか前例がないんですけど」
「ここにスピーカーが内蔵されているのは、ちょっと分からないかなっていう」

最後は1号車、なかなかチケットが取れないグリーン車です。

【野川アナ・JR西日本下関総合車両所新山口支所 森川泰登さん】
「ほほほほほ。いや、ちょっとすごい空間ですね。高貴な色とされる『えんじ』にまっさらなリネンがついていると、清潔感と言いますかね。特別な空間に来たんだぞっていうのは、もう乗った瞬間からも分かりますし」
「ちょっと今まで見てこられた車両と、ちょっと雰囲気が違うなーっていうのが」
「明らかに違いますね」
「見て取れると思います」
「モデルにした車両がマイテ49っていう車両なんですけど、現代の基準でグリーン車相当の座席っていうのにするのにどうしようって考えた時に、金沢の方で走っているサンダーバードとか、あの辺りの車両のグリーン車の座席を旧型客車風というか、いうふうにちょっと作り替えまして」
「だからなんか一席一席の幅もそうですし、間のこの手をかけるところなんかも、充分な広さがありますし、テーブルなんかありませんから、折りたたみのテーブルが。非常にこの足元の空間、私の足短いですから、伸ばしても届かないそれぐらいの広さですよ。ただ、このグリーン車がやはり、これだけの空間を取って贅沢な座席ですから、ここはプラチナ・オブ・プラチナチケットといいますか」
「このグリーン車からまず座席がはけてしまうので、本当に早いもの勝ちといってはあれなんですけど、まあなかなか取ることができない」

実際に私と加藤キャスターはSLやまぐち号の復活が決まった時、早朝6時からチケット予約に参戦しましたが、検索をかけた時点ですでに完売!実に、驚くべき人気ぶりでした。
そして、グリーン席の最後尾には…

【野川アナ・JR西日本下関総合車両所新山口支所 森川泰登さん】
「で、こちらがですね、このグリーン車をご利用いただいている方のみが使える展望室」
「はっはっは。これはこれはちょっと、贅沢すぎますね。あ、これ、寝ちゃうやつですね」「自由にフリーに座れるスペースっていうことで長居されるお客様が多いとは伺ってますね。なるべく譲り合って使ってもらいたい所になります」
「座席がいいですね」
「そうですね。昔のSLの編成だとか、客車の編成とかをする時に、編成の一番後ろが。
一番、VIPの方が乗られる、編成だった。で、一応それを行きだけではあるんですけど、再現しているっていう様な」
「マイテ49でイロハのイですから、一等車。正真正銘の一等車のところを再現されているということですから、もう当時の本当にVIP中のVIPと言いますか、とんでもない位の高い方が乗っておられたわけで。まあそういった空気も、こういったところからも感じられますよね。凝ったデザインで、かつ。あらー。これ、ちょっとまあ…すごい。もう今、止まってるわけですけどもね。それにしてもこう、爽やかな風が吹いてきますから。走りながらだったら山口線のね、日本の昔ながらのね、風景を感じながら、吹いてくる風を受けながら。津和野に向かう時は一番後ろになるわけですね」
「そうですね。だから新山口駅を出る際は、ここに出られて、手を振られるお客様っていうのが非常に多くてですね」
「特別な感じがありますよね。出発する時にここから手を振れたら、なんと素晴らしいことでしょう」

全国でも数少ない、SLが走る路線として知られる山口線。
地域の人々にも支えられ、SLやまぐち号はまもなく運転開始45年を迎えます。

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