初手を指す挑戦者の豊島将之九段(右)。左は藤井聡太名人=大分県別府市の割烹(かっぽう)旅館もみやで2024年5月18日午前9時、金澤稔撮影

 藤井聡太名人(21)に豊島将之九段(34)が挑戦し、藤井名人の3連勝で迎えた第82期名人戦七番勝負の第4局(毎日新聞社、朝日新聞社主催、大和証券グループ協賛、九州電力、QTnet協力)が18日、大分県別府市の割烹(かっぽう)旅館もみやで始まった。藤井名人は勝てばストレートで初防衛となる。5期ぶりの名人復位を目指す豊島九段は初白星を挙げて望みをつなぎたい。

 定刻の午前9時、立会の深浦康市九段が開始を告げると、豊島九段は一呼吸置いて7六歩と角道を開けた。今期シリーズ、作戦に工夫を凝らす挑戦者は3手目で1六歩と端歩を突き、早くも揺さぶりをかけた。

 藤井名人は相手の狙いを探りながらの駒組みが続く。豊島九段の1六歩によって先手番と後手番が入れ替わったような進行だ。16手目、名人は13分の考慮で7筋の歩を取る7六飛を決断、「横歩取り」の戦いになった。解説の佐々木大地七段は「挑戦者が誘導して名人に横歩を取らせた。名人は7四飛(20手目)と引く穏やかな順を選んだので、戦いは先になりそうだ」と話した。

 持ち時間は各9時間。同日午後6時半に手番の者が指し手を封じ、19日に指し継がれる。【新土居仁昌、丸山進】

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