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 パリオリンピックの女子バレー出場枠は12枠あります。そのうち7つは決定していて、残り5枠をかけて来週から始まるネーションズリーグで争うことになります。

 この中で鍵を握る人というと、何といっても、エースとして期待されている石川真佑選手(23)。松岡修造さんが話を聞きました。

■女子日本代表監督も驚く変化

石川真佑 この記事の写真

 パリオリンピック出場権獲得のラストチャンスに向け、日本代表に合流した石川真佑選手。

イタリア バレーボール セリエA

 去年10月から兄・祐希選手と同じイタリアリーグ・セリエAに挑戦。すると、世界最高峰のリーグで得点ランキングはなんと10位。

 そんな石川選手、実は、イタリアに行く前は代表のエースどころかピンチサーバーでした。

女子日本代表の眞鍋政義監督

 この成長について、女子日本代表の眞鍋政義監督は次のように話しました。

眞鍋監督
「石川?変わりましたよ」 松岡さん
「何が変わりました?」 眞鍋監督
「石川はね、あの兄妹がそうなんですけど、真面目なんですよ。大丈夫かなと、この2年間思っていた。はじめは『チャオ!』からいってください。チャオと言ったら、今の石川なら『チャオ!』と返します。去年までは下向きながら来てる」

 さあ、石川選手はどんな反応をするのでしょうか?

松岡さん
「(ためてからの)チャオ!」 石川選手
「チャオ!(笑)」 松岡さん
「うぉ〜!(拍手)ありがとうございます」

 監督も驚く変化の裏には何があったのでしょうか。

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■イタリアで得た「余裕」と「自由」

■イタリアで得た「余裕」と「自由」

松岡さん
「イタリアっぽいのはあったんですか?自分に」 石川選手
「全くなかったと思います」 松岡さん
「ゼロイタリア?」 石川選手
「はい。最初は『チャオ…』」 松岡さん
「ゼロイタリアからイタリアが注入されてどう変わっていきました?」 石川選手
「心に余裕ができた。自由さとか」

 イタリアで手に入れたという「余裕」と「自由」それは技術にも変化をもたらしていました。

手の動きやブロックの状況を見ながら打つ 石川選手
「イタリアで高いブロックを経験して、どう点数を取るかがシーズンの課題。ブロックのここだけ(ネット際の腕しか見えていなかった)だったんですけど、ずっとやっていく中で手の追って来たりとか、かけてくるのに対して自分がしっかりブロックを見ながら打つことをやっていた」

 以前と今の石川選手を比べてみましょう。イタリアに行く前は、自分より高い海外勢のブロック相手に真っ向勝負を挑み、止められていました。しかし、イタリアでのプレーでは目の前にブロックが2枚あるなか、ボールをブロックに当てて跳ね返し、ラインの外に落として得点を奪いました。

 実は、石川選手は空中で相手ブロックの手の向きを見て対応していたのです。この時、手前の選手は真っすぐ打てないように、奥の選手は斜めに打てないように手を出し、コースをふさいでいます。そこで、石川選手はブロックが見えているからこそ、軽く打ってブロックを利用して得点することを選んだのです。

石川選手
「以前は『ここに打つ』と決め打ちしていたところも多かったので。なので強打だけではなく、相手を揺さぶるフェイントやプッシュ。そこも含めて自分の中に少し余裕ができた分、選択肢がうまく出せるようになってきたんじゃないかなって思います」

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■石川「ゼロイタリアから40に」

■石川「ゼロイタリアから40に」

 余裕ができたことで、空中での選択肢が増えたという石川選手。では、その余裕はどうやって生まれたのでしょうか。

石川選手
「イタリアに行く前は早い時間に来て準備をしていたんですけど、イタリアの体育館は練習の30分前にしか開かない。最初はいつもの流れを作れないから自分の中でもどかしさや『大丈夫かな』というのがあった。海外の人ってやる時は熱量が一気に上がる。準備も大事ですけど、やる時はやるっていう。(自分が)できなかった時に『やらなかったからだ』と前までは考えながらやっていた。『やらなきゃいけない』という考えが少なくなったから、余裕が増えていった」 イタリアで成長

 自分の考え方が如何に凝り固まっていたか痛感したのです。こうして、日本のエースはイタリアで新しい武器を手に入れました。

松岡さん
「ゼロイタリアから、いま何イタリアくらいまで入ってますか?」 石川選手
「40とか?」 松岡さん
「40も来たの!?40も来たんですか!?」
「今の自分は好きですか?」 石川選手
「前よりは。なんか楽(笑)」

(「報道ステーション」2024年5月6日放送分より)

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