2023年のNHKマイルCを制したシャンパンカラー=JRA提供

 毎日新聞デジタル報道グループの“真希バオー”こと中嶋真希記者が、上半期のGⅠ計12戦を予想します。第7弾は、3歳マイル王を決めるNHKマイルカップ(C)=東京1600メートル。2歳王者ジャンタルマンタルと2歳女王アスコリピチェーノが激突。マイル重賞ウイナーも勢ぞろいしました。競馬担当30年の師匠、松沢一憲記者は「どの馬が勝ってもおかしくない、豪華メンバーだ。こんな時は、例の手で行くぞ」と意気込みます。

大穴は、出ない?

 このレース、1番人気は7連敗中。過去10年、2ケタ人気の馬が3連対、3着3回。まったくノーマークだった馬が激走し、「うそでしょ?」と叫んだのは一度や二度じゃない。「2016年のレインボーライン(12番人気3着)や、21年のソングライン(7番人気2着)など、おいしい思い出もたくさん。得意なレースなので、大胆に勝負します」と真希バオー。

 「過去10年、馬連は4回も万馬券が飛び出している。3連単は、22年の153万馬券を筆頭に高配当が続出しているぞ」と穴党の師匠も大興奮。「今年は、とんでもなく豪華なメンバーがそろったよ。2歳王者2頭を含めて、重賞を勝った馬が9頭もいるんだ。有力ステップを惜敗した馬も気になるな。目移りしちゃって、印が回りきらないよ」とうれしい悲鳴を上げた。

 「逆に言えば、実績馬の争いになり、大穴は出にくいとも言える。しかし、オッズが割れるだろうから、組み合わせ次第で高配当が望めそうだ」と師匠。「連対馬20頭の前走クラスは、GⅠ組7頭、GⅡ組5頭、GⅢ組6頭、オープン特別組2頭。オープン特別組は17年の2着(リエノテソーロ)を最後に連に絡んだことはない。前走で掲示板を外して巻き返した馬はわずか2頭だけだ。人気薄の好調馬を見逃すな」

松沢記者の本命は……

 ◎ジャンタルマンタル、○ディスペランツァ、▲アスコリピチェーノ、△ノーブルロジャー、△ボンドガール、△ゴンバデカーブース

 師匠は、今季絶好調。大阪杯以降、本命馬が3勝、3着1回。一度も馬券圏内から外れていない。「今週も的中で大型連休を締めるぞ。大混戦は、Vラインで勝負だ」

 Vラインは、「レース中に一旦位置取りを下げて盛り返した馬は、3走以内に必ず激走する」という師匠独自の攻略法。2走前の共同通信杯(東京1800メートル)でVラインを刻んだジャンタルマンタルが本命だ。

 「デビューから無傷の3連勝で朝日杯フューチュリティステークス(S)=阪神1600メートル=を制覇。共同通信杯、皐月賞(中山2000メートル)でジャスティンミラノに先着を許したが、皐月賞はレコード決着の中で積極策に出て1分57秒2の好時計だ。ベスト舞台のマイル戦で、GⅠ2勝目を奪取するぞ」

真希バオーの大胆予想

 馬連5頭ボックス(10点×100円=1000円)

真希バオーの馬連5頭ボックス

 (3)ディスペランツァ

 (5)ボンドガール

 (14)アスコリピチェーノ

 (15)マスクオールウィン

 (16)ジャンタルマンタル

 「前走で掲示板を外した馬が巻き返すのは厳しいぞ」--。師匠の言葉が気になる。マスクオールウィンは、桜花賞(阪神1600メートル)で14着。確かに、厳しいか。しかし、大外枠で後方からの競馬となり、力を出し切っていないように見えた。本来の能力を発揮すれば、一発あるのでは?

 新馬戦(東京1600メートル)は4着と敗れたが、上位3頭はボンドガール、チェルヴィニア、コラソンビート。チェルヴィニアとコラソンビートは後の重賞馬で、「伝説の新馬戦」と呼ばれる一戦となった。

 その後も、ダリア賞(新潟1400メートル)で勝ち馬コラソンビートに1馬身4分の3差3着と、世代トップの馬たちとしのぎを削ってきた。フェアリーS(中山1600メートル)は、外から鋭く伸び、首差迫って2着だった。

 あと一歩が足りないが、血統がこの馬を後押ししてくれるのではないか。NHKマイルCは、良馬場の高速決着では米国型のスピード血統が穴を開けてきた。父ドレフォンは、22年に18番人気で3着に入ったカワキタレブリーと同じ。「やっぱり荒れたか」と、ファンを驚かせる立役者になってほしい。

中嶋真希

 毎日新聞デジタル報道グループ記者。業務の傍ら、学生時代から興味があった競馬を本格的に勉強しようと、2014年、競馬担当の松沢一憲記者に勝手に弟子入り。得意技は、パドックで激走する穴馬を見つけること。皐月賞馬イスラボニータが大好きで、産駒の応援に励んでいる。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。