フィギュアスケートの全日本選手権は21日、大阪府門真市の東和薬品ラクタブドームで男子フリーがあり、ショートプログラム(SP)14位の壷井達也選手(シスメックス)は173・37点、合計247・31点で3位に入った。
約1週間前に風邪を引き、体調があまり良くない中で大会を迎えたという。最後の追い込みが足りなかった部分もあり、SPは「練習ではあまりしないミスを連発してしまった」と振り返る。フリーの朝の公式練習では、中野園子コーチから「このままだとあんた強化(選手)落ちだよ」と活を入れられ、気合を入れ直した。
冒頭の4回転サルコウは着氷が乱れながらも、なんとか3回転トーループをつけてコンビネーションにすると、続く単発の4回転サルコウはきれいに着氷。出来栄え評価で2・36点の加点を得た。その後もすべてのジャンプを降りて演技を終えると、右手で足を力強くたたき、喜びを表現した。
演技後は「(3位に入った)NHK杯ほどベストな状態ではないながらも、なんとかまとめて最低限の演技をすることはできたんじゃないかなと思います。調子がいい時はもちろんだが、調子が悪い時にどれぐらいその(演技の振れ幅の)加減を少なくできるかということが、本当にトップ選手を目指す上で大事になってくるかなと思う。そこに関しては今回、一つの収穫を得ることができました」と語った。
SP14位からのジャンプアップに、表彰式後の記者会見では「今、自分がこの場にいることが信じられない」と驚きを口にした。「表彰台は全く意識せず、ただ練習で積み上げてきたものを出そうという気持ちで臨んだ結果、3位に入ることができて満足している。NHK杯で初の表彰台、全日本でまさかの表彰台と、シニア3季目で自分の期待以上の成果が出せている」と語った。【玉井滉大】
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