北の富士勝昭さん=東京都墨田区の八角部屋で2016年5月5日、竹内紀臣撮影

 大相撲の第52代横綱で11月12日に死去した北の富士勝昭(本名・竹沢勝昭)さんをしのぶ会が18日、東京都墨田区の八角部屋で開かれ、弟子で日本相撲協会の八角理事長(元横綱・北勝海)をはじめ角界関係者やファンら計約2000人が別れを告げた。

 千代の富士、北勝海の2横綱を育てただけでなく、日本相撲協会退職後はNHKの解説者としてお茶の間でも親しまれた北の富士さん。人気を象徴するように、部屋には一般の参列者が約1600人詰めかけ、周辺を囲むように行列ができた。

 八角理事長はあいさつの冒頭で「私の師匠ですので、本日は親方と呼ばせていただきます」と切り出した。しのぶ会を八角部屋で開くことは、北の富士さんの生前の要望だったという。時折声を詰まらせたり、目頭を押さえたりしながら「14歳で帯広空港から親方と一緒にプロペラ機で上京したことを今でも鮮明に覚えている。もう一度飲みに行って、酒を酌み交わしながら昔話をしたかった」と語った。

 現役力士では、11月の九州場所で初優勝した大関・琴桜が参列。祖父の先代佐渡ケ嶽親方(元横綱・琴桜)が北の富士さんとしのぎを削ったことから、「幼少期から気にかけてくださった」と振り返った。自身は2025年1月の初場所で綱取りがかかる。「そういう(横綱昇進の)報告ができるよう、相撲界を引っ張っていく」と力を込めた。【岩壁峻】

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。